【プレーニング】
プレーニングとはボードが一定以上のスピードに達した時、ボードが半分以上浮いた状態で水面を水切り石のように滑走することです。
この滑走する快感こそウィンドサーフィンの醍醐味。今までにない世界を味わうことになります。
プレーニングするために覚えなければならないテクニックがいくつかあります。
新入生がプレーニングするまでの練習ステップを見ていきましょう。
①進む感覚を覚える
陸上にてセイルアップ、セイルに風を流す感覚を覚えたら海に出て実践しましょう。
150リッター程度の浮力のあるボード、4㎡台の小さいセイルで練習するので、穏やかなコンディションなら1日目からスイスイ進めます。
大原海岸ではなるべく波の小さいビーチ左端で練習しましょう。海の上を自然の力で走る、この時点で結構な高揚感が・・・
【練習のポイント】
以下の各写真のポイントを押さえて理想的なフォームを身につけてください。
②行きたい場所へ進めるようになる
微風下にて風上に上る、風下に下る乗り方、風上へラフ、風下へベアの進路変更を覚えましょう。
行きたい場所に進めるようになるためです。
大原海岸ではビーチ左側(プカプカのさらに左)から出艇し、
LADY前まで来たらタックしてもとの場所へ戻る練習がセオリー。
"出艇した場所へ戻る"、非常に重要なことです。これができないと思いがけない海難事故を招きます。
オフショア時に沖へ流され遭難、岩礁帯へ座礁、漁業関係の漁具の破損など。
③道具を乗り換える、セッティングを覚える
今まで使っていた初心者道具を卒業します。
120リッター程度のフリーライドボードに替え、5~6㎡台の大きいセイルで乗ってみましょう。
微風下ならどこでも行きたいところに行けるようになってください。
そして、道具のセッティングを覚えましょう。ウィンドはセッティング次第で乗りやすさが格段に変わります。
④ハーネスワークを覚える
プレーニングするためには、体重をセイルに預けることでボードを軽くしてスピードを出します。セイルに体重を預ける道具がハーネスです。
まず陸上にてハーネスのかけ方、体重をセイルに預ける感覚を養いましょう。ハーネスラインの位置、長さなどセッティングも今一度見直しましょう。
【練習のポイント】
プレーニングコンディションになったら、いきなり海に出ず陸トレでハーネスワークを覚えましょう。
まず、ハーネスをかけないで写真①のようなフォームを練習します。
下半身は斜めにまっすぐ突っ張って、上半身は起こします。
体をボードの外に出して、セイルのフットがボードセンターに来るまで背中でセイルを引きこみます。
①のフォームが取れていれば、そのままハーネスをラインにかけて
今度は②のようにハーネスでセイルを引き込みましょう。
フォームのまとめ
1.体を風上に倒して背中でハーネスを引く(体をボードの外に出す)
2.下半身は斜めに上半身は起こす
3.腕の力は抜く(セイル手がきつければラインをマスト側に、マスト手がきつければブームエンド側にずらす)
4.体はセイルに正対し視線は進行方向
5.マストが風上に倒れないように(カイトしすぎないように)、前手でマスト立てる
6.セイルのフットがボードのセンターに来るまで引き込む
⑤いざプレーニング!
ここまで習得したあなたは強風の日を今か今かと待ち望んでいることでしょう。いよいよプレーニング実践です。
【練習のポイント】
波の小さいビーチ左側から出艇し、まずは波のブレイクがない所まで沖に出ましょう。
アビームよりやや上った状態からハーネスをかけ、前足をストラップに入れる。
前足をノーズ方向に伸ばし、体を風上方向に倒すことでハーネスを風上方向に引き体重をセイルに預ける。
スピードが上がってきたら後ろ足をストラップに入れる。
・・・滑走するボードの音、今までにないスピード感、プレーニング突入です。
初プレーニングを体験したものの、ストラップ入れたらラフしてしまう、走ったら前に飛ばされてしまうなど、そんなお悩み解決します。
①ストラップに足入れた途端ラフして沈
【原因】
ストラップに足を入れるため、体がテイル側へステップバックした時にセイルも同時にテイル方向に倒れてしまっている。当然ラフしますね。
また、今までボードのセンターライン上に立っていたものを、ストラップに足を入れるわけですから、風上側のテイルに立つことになり、
ボードの重心がずれて風上に回ってしまいます。
【解決法】
ストラップに足を入れる時に、セイルの位置を変えない。ストラップに前足入れたらすぐに、前足をノーズ方向に伸ばす。
前足を伸ばすことで、ボードが風上に回らないよう抑えることができる。さらに、ハーネスを風上方向に引いてセイルを閉じる。
セイルを閉じることでベアする力が働くのです。
②前に体が飛ばされてしまう
【原因】
プレーニング練習でラフして沈を繰り返すうちに、ラフを防ぐために無意識にマストをノーズ方向に倒し、セイル手を引いて微風時と同じようなベアをしていることがあります。
セイルに十分に体重を預けていない状態でそれをすれば急激に風が入って前に飛ばされます。
【解決法】
走り始めにベアの力は必要ですが、微風時のようにマストをノーズ方向に倒す、セイル手を引くといったベアの仕方ではありません。
マストは立てた状態をキープ、セイルは手ではなくハーネスで引いて閉じることでベアの力を使います。
③風は十分吹いているのに走らない
【原因】
風は十分吹いている、ハーネスもかけたしストラップに足も入れたのにプレーニングしないのは、
ハーネスでセイルを引けてない(セイルに十分体重が預けられていない)のが原因です。
ハイクアウト(体を風上にせり出すこと)が足りないため、ボード上に体重が残ってしまいスピードが出ないのです。
ブームをしっかり握りしめ、肘が曲がり手の力でセイルを支えているのでしょう。
【解決法】
体を風上側(ボードに対して横方向)に倒して大きくハイクアウトすることでセイルに体重を預けます。
セイルはカイトしすぎないように上半身はちゃんと起こします。
肘は軽く伸ばし、セイルと体の間隔を大きく取ることでセイルにたくさん風が入ります。
また、腕の力を抜いてブームは握りしめないで指は引っかけるだけにします(ブームを握りしめると体重がセイルに乗らない)。
【上り(クローズホールド)】
視線を風上方向に向けます。そうすると体が風上方向に開くので、開いた体の分セイルを開きます。
体をノーズ方向にシフトさせ両足に均等に乗っていた体重を前足に載せます。
そうすることでボードの接水面積が増え上りやすくなります。
上りの時はセイルがカイト(風上方向に倒れること)しやすいのでその分、風のパワーも落ちやすいです。
マスト手を押し出してなるべくマストを立てましょう。
【下り(クォーターリー)】
視線を風下に向けます。
前足はノーズ方向に真っ直ぐ伸ばし、後ろ足を曲げテイル加重になります。
そうすることでボードの接水面積が減り下りやすくなります。